「好き」と才能
前回、「仕事」とは何かの記事で、「仕事」という言葉の意味について、私なりの意見を述べました。
私は、現代社会は必要以上に「好きなこと」をすることに対して罪悪感を持っているように思うのです。
趣味と仕事を分離することに、あまりにも神経質になりすぎている傾向があるように思います。
楽しいという感情を抑圧しすぎていないでしょうか。
お金を稼げることが仕事で、それ以外は趣味。
仕事は大事にしなければならない。
趣味を優先させてはならない。
そんな価値観が蔓延しているように感じます。
それがお金になるとか人の役に立つとか、たしかに気になることかもしれません。
しかし、そういうことを抜きにして、ただ好きなことを続けていく先に、自分の才能が見えてくるのではないでしょうか。
私はそう思っています。
「でも今からじゃ、はじめるのが遅すぎる・・・。」
私はそれも気にする必要はないと思います。
いわゆる「正攻法」でプロとしてお金を稼ぐだけが自己表現ではないはずです。
ただ何となく好きで続けていく先に、プロとしてお金を稼ぐ以外にも表現する手段は見つかるかもしれません。
(もちろん、プロとして稼げるかもしれませんし。)
直接的にその「好きなこと」を生業にできなかったとしても、それに関連した職業には就けるかもしれません。
もしくは、そのスキルを別の職種で活かすこともできるかもしれません。
こだわりに執着しなければ、才能を活かす方法はいくらでもあるはずです。
才能を見つけたいなら、ただ「好き」かどうか。
これだけが物差しでいいと思います。
たとえば、本屋に行ったらいつのまにか自然と、同じようなジャンルの書棚に行っていたとか、そんなところにヒントがあるかもしれません。
得意・不得意で選ばないことをおすすめします。
これで選んでしまうと、「人と比べて上手いか下手か」という、不自由な競争原理に巻き込まれるでしょう。
頭で考えて理屈付けをした「好き」ではなく、理由がないけど自分の内側から起こる、何となく「好き」という感覚。
激情というよりは、静かな情熱といいましょうか。
そんな気持ちでなんとなく続けてきていること。
それこそがあなたが才能を発揮する「仕事」なのかもしれません。
それはもしかしたら、まだあなた自身がそう気付いていないものかもしれません。
そして、あなたにとっては特別なことではないかもしれません。