感謝できない自分を責める必要はない
皆さんは、感謝できない自分を恥じたり責めたりしたことはありませんか。
もしかしたら、幼い頃、養育者から感謝を強要されるような雰囲気の中で育った方もいるかもしれません。
また、巷の心理読み物やポジティブ思考の指南書などを見ると、一つ覚えのように「感謝しましょう。」と書いてあるかと思います。
それらを深刻に捉えて、「感謝しなければいけないのか。」と考えてしまう。
そして、無理に感謝しようとして、苦しくなってしまう。
もしくは、とても感謝できないような言動をする相手に対して怒りをぶつけ、自己嫌悪に陥ってしまう。
「感謝できない自分は人としてダメなのではないか。」
こうも「感謝しましょう。」と言われると、そのように思い詰めてしまって当然ではないでしょうか。
僕もかつてはそうでしたから、よく分かります。
感謝できるかどうかは、自分でコントロールできない
たしかに感謝の心には心地よいエネルギーがありますので、感謝できるに越したことはないかと思います。
しかし、ポジティブ思考の指南書の多くには、誤解を招きかねない漏れが存在していると僕は感じています。
それは、感謝の心とは、起こそうと思って起こせるものではないということです。
さあ、感謝するぞと言って、何かスイッチを押したら即感謝できる、なんていうムシのいいものではないのです。
感謝の心は必要なときに自然に湧いてくるものなのです。
だから、今、感謝できなくてもいいのです。
感謝の心は自然現象
感謝は、自分ではコントロールできない自然現象なのです。
つまり、自分の意志に関わらずに降る雨のようなものです。
だから、やたらと感謝を勧めるポジティブ思考は、雨を降らせるために雨乞いをしましょうと言っているようなものなのです。
そのような意見を真摯に受け止め、「雨乞いをしたのに雨が降らない。」と嘆いて自分を責める必要があるでしょうか。
今は自分を癒すとき
「そんなこと言っても、いつまで経っても感謝の心なんて湧いてこないんだ。」
「この先だって感謝できるかどうか分からない。」
そう心配される方もいらっしゃるかもしれません。
もしかしたら、あなたはまだ心の傷が深く、今は自分を癒す必要があるのかもしれません。
自分の傷が癒えていないのに、無理に何かを・誰かをありがたがろうとするから、余計に苦しくなるのではないでしょうか。
「感謝するべきだ。」と自分自身に感謝を強いれば、ますます感謝の心から遠ざかっても当然ではないでしょうか。
一度、感謝することを脇に置いてみてはどうでしょうか。
あなたの傷が癒えるに従い、少しずつ感謝が湧き上がってくることでしょう。
僕も、感謝をしようとすることをやめることで、心から感謝できるようになっていきました。