マインドフルネスの効果について証言⑥ ~まとめ・効果は全て副産物~
ここまで、僕が実感したマインドフルネスの効果について述べてきました。
マインドフルネスの実践によるこれらの効果は、僕の生きづらさを根本から大きく改善してくれました。
しかし、ここで断っておきたいことがあります。
それは、深い意味において、僕自身は何も変わっていないということです。
何か「特別な自分」になったわけではありません。
注意の向け方が変わった
では、一体、これらの効果はどうして起こったのでしょうか。
前回の記事で僕が述べた持論。
人間が真の意味でコントロールできるのは、現在の自分の行動と注意の向け方の2つだけであるということ。
マインドフルネスは、注意の向け方をコントロールする格好のトレーニングなのでしょう。
もちろん僕も、瞑想の実践中は、そのように自覚してやっているわけではありません。
しかし、結果的に瞑想の実践が、「何にどれぐらい注意を向けるか」を調整する訓練になっていたんだと思います。
注意の向け方が変わると、ものごとへの関わり方が変わります。
僕に現れた効果は、注意の向け方の変化によるものなのだと、僕は感じています。
それそのものが目的
何か特別な効果があると聞いたものには、飛びつきたくなるのが人情でしょう。
そういう意味では、最近の「マインドフルネスブーム」は頷ける部分はあります。
マインドフルネスには脳の活性化の効果があり、生産性の向上に寄与するということで、大手の企業も研修などで取り入れていると聞きます。
たしかに企業の社員研修なら、そうした「目先の効果」に着目するのも理解はできます。
しかし、僕は生きづらさ改善のためのメソッドとして、マインドフルネスを紹介しています。
そうした目的で実践するなら、僕は瞑想の「目先の効果」に期待して一喜一憂するのではなく、瞑想を深めていただきたいなと思います。
※とはいえ、気負う必要はまったくありません。
マインドフルネスの効果は、あくまで「副産物」です。
僕に現れた効果もしかりです。
マインドフルネスとは、実は効果を期待して行うものではなく、それそのものが目的なのです。※
究極的には、「マインドフルネス = 生きること」だと僕は思っています。
「なんのこっちゃ」という感じかもしれませんが(笑)、マインドフルネスを深く実践すればおのずと体感することになると思います。
※先ほど「生きづらさ改善のためのメソッドとしてマインドフルネスを紹介する。」と述べましたので、「それそのものが目的」と言うと、一見矛盾するように感じるかもしれませんが、ここは思考や言語のレベルでは説明できない部分です。
合わなければやめればいい
マインドフルネスはこのように、僕にとっては非常に有効なものでした。
しかし、この連載記事の始めのほうでも触れましたが、どんなメソッドにも残念ながら、「合う合わない」はあるかと思います。
生きづらさ改善のメソッドとしてマインドフルネスを実践した場合であっても、一向にそうした効果が感じられないという人もいるかもしれません。
もちろん僕も、そんな風にはなってほしくないと願っていますが、そうしたケースがあるということも致し方のないことです。
そのようなときは、迷わずマインドフルネスという方法を諦めていただいていいと思います。
生きづらさを改善するための方法はほかにもたくさんあります。
「それのみが全てではない」のです。
僕も自己啓発、心理療法など、様々な方法を試み、失敗を重ねた末にマインドフルネスに辿り着いたのですから。
これまでも苦しんできたであろうあなたには、これ以上、合わないやり方に固執させてつらい思いをしてほしくないのです。
あなたには、今のあなたに合う方法がきっとあるはずです。
しかし、生きづらさ改善のためのマインドフルネスは、即効性があるものではないので、少なくとも3か月は、なるべく毎日実践してみていただきたいと思います。
そのうえで、「合う合わない」の結論を出してみてはいかがでしょうか。
さて、マインドフルネスの効果について、僕からの証言は以上とさせていただきたいと思います。
少しでも皆様に、マインドフルネスの魅力や有効性を感じ取っていただければ幸いです。
長きに渡ってお付き合いいただき、ありがとうございました。