本質で生きるマインドフルネス

瞑想おじさんの自己解放記

欲との関わり方

はじめに申し上げておきますと、今から述べることは、ある意味理想論です。

 

「今、そのようにできない自分」を責める必要はまったくありません。

 

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欲は決して「悪いもの」ではない。

 

僕はそう思っています。

 

欲は我々の生命維持のために必要な側面もあるからです。

 

 食欲は我々に空腹を教えてくれます。

 性欲は我々に種の存続を訴えます。

 睡眠欲は我々に休養を取るよう促してくれます。

 

だから欲そのものを悪者扱いして否定することは、短絡的思考だと僕は思うのです。

 

欲には際限がない

 

しかし、欲と付き合うにあたり、僕たちは心得ておいたほうがいいこともあります。

 

それは、欲には際限がないということ。

 

ある程度満たされたら消えていく欲も、たしかにあるでしょう。

 

しかしなかには、満たされたら満たされたぶんだけ大きくなり、化け物のように肥大化する欲もあります。

 

一生かかっても使い切ることがないほどの財をなした大富豪が、なおも脱税をするようなケースがあるかと思います。

 

あれはまさに、おのれの肥大化した欲に飲み込まれてしまったケースではないでしょうか。

 

しかし恐れる必要はありません。

 

欲は誰にでもあるものです。

 

大切なことは、欲に気づくことです。

 

まずは、欲に気づき、その存在を認めてはどうでしょうか。

 

自分を傷つける行為を慎む

 

ヨーガのなかで、「アパリグラハ」という行動指針があります。

 

これは「不貪(ふとん)」つまり、貪ることを控えましょうという推奨です。

 

これを欲の抑圧と捉えると、苦行になるかもしれません。

 

実際そのように指導されるヨーガの講師もいらっしゃるかもしれません。

 

しかし、僕に指導してくださった先生は、とても腑に落ちる説明をされました。

 

何事もバランスが大事であり、欲を軽んじ過ぎることもまた、問題であるということでした。

 

欲を抑えつけるのではなく、欲によって自分を傷つける行為をなるべく慎むようにするのが大切とおっしゃっていました。

 

たとえば食事も摂り過ぎると、肥満や糖尿など、自らを蝕む病因となるでしょう。

 

だから食欲を満たすのではなく、空腹を満たすように食事をするよう心掛けるということです。

 

ギャンブルもそうです。

 

ギャンブルを楽しむこと自体は、僕は問題はないと思います。

(僕は一切やりたいと思いませんが。)

 

生活費を削ってギャンブルにのめり込むなどの行為が、暮らしを圧迫したり、場合によっては家族関係を悪化させたりするのではないでしょうか。

 

今、僕が書いているブログですら、没頭しすぎて他のことをおろそかにすると、結果的に僕自身を傷つけることとなるでしょう。

 

だから、どんなことであれ、自分を傷つけない程度の節度があるにこしたことはないでしょう。

 

もちろん、スローガンや指針は口で言うのは簡単ですが、実践には困難が伴うはずです。

 

いつでもそのように行動できるわけではないでしょうし、習慣として定着するまでは、繰り返し根気よく行う必要があるでしょう。

 

だから、冒頭で申し上げたように、これを自分を裁くための戒律とするのではなく、あくまで方向性として心に留めておく程度でいいのかもしれません。

 

欲との適切な距離感

 

今は便利な時代です。

 

お金さえ払えば簡単に食事にありつけますし、インターネットで家にいながら大抵の生活を完結させることも可能です。

 

だから、過食や運動不足などで健康を害することもあるかもしれません。

 

また、近年はその逆で、ストイックにしすぎて自分を傷つけるというケースもしばしば見受けられるように感じます。

(自分を追い詰めるほどの厳格さもまた、欲によるものです。)

 

現代では、我欲を100%満たすように行動すると、おそらくたいていのことは「やりすぎ」になってしまうでしょう。

 

だから、いちいち欲の言うとおりに行動する必要はないのです。

 

また、他人とおなじように欲を満たそうとする必要もないのです。

 

とはいえ、修行僧のようにいつでも欲に対して控えめなのも、また味気ないかもしれません。

 

欲を満たすことでストレス解消になるのなら、ときには思い切り欲を満たしてみるのもいいかもしれません。

 

また、欲は、人生に楽しみや彩りを与えてくれることもあります。

 

抑圧することなく、しかし適度に距離を取り、節度をもって関わること。

 

難しい課題ではありますが、これが欲との上手な付き合い方ではないでしょうか。