自覚
自覚とは、自分の状態に気づいているということ。
そして、それに良いとか悪いとか判断を下していないということ。
気づき続けたまま、それをそのままにして、変えようとしないということ。
誰かに嫉妬しているなら、私は嫉妬しているのだと認めている。
そして、それに対して肯定も否定もしない。
このように、ただ存在を許された嫉妬心は、「誰かにどうにかしてやりたい」という力を失う。
そのとき、嫉妬心は無害化している。
これを忍耐強く続けるなら、その嫉妬心は存在意義を失い、次第に衰退し、やがて消えていく。
そのときあなたは理解する。
そうか、私の中のこの嫉妬心は、ただその声を黙って聞いてほしかっただけなんだ。
それを正そうといじくり回すから、その声を聞くまいと無視をするから、ますます私に反逆していたのだ、と。
自覚とは、賢い注意の向け方である。
自覚をしたものは何であれ、あなたにとってニュートラルな存在となる。
たとえあなたが「愚かだ」とみなす考えであったとしても。
それはもはやあなたにとって憎むべき敵ではない。
なぜならそこには善も悪もないからだ。
それはただ、あなたにとっての観察の対象なのである。
そしてこの観察は、あなたを人間的成長へと導くだろう。