この1冊からはじまった
生きづらかったころの自分。
それを解決しようと努力していた自分。
そして今の自分。
少し振り返ってみた。
ずいぶんと変容したなあとしみじみ感じる。
生きづらさを強く感じていた頃、自分のことが嫌いで嫌いで仕方がなかった。
こんな自分は自分ではない、早くこの状態を脱したいと自分を否定していた。
正直、よく生きてこれたなと思う(笑)
当時はそれ以外に方法を知らなかったのだ。
だが今は心から思う。
とりたて何をしなくても幸福が感じられるのは、その頃の自分がいたからなのだ。
なぜなら、生きづらさがあったからこそ、その苦しみから根本的に脱却したとき、安らぎを感じることができるのだ。
生きづらさを体験したから、安らぎを強く感じられる。
逆説的だけど、この物質世界はそういうところなのだ。
だから今は、まったくその頃の自分を責める気にならない。
もちろん今世に死ぬまでゴールは来ない。
人生万事、塞翁が馬。
だから今の自分もまた、ただそういう状態であるというだけ。
それはわかってはいるが、ちょっとぐらい浸ってもいいじゃないか(笑)
あらゆる世界とのゲート
僕にとって、この変容の大きなきっかけとなった1冊。
このブログでも何度かご紹介した。
「マインドフルネスのはじめ方」(ジョン・カバットジン 著、鈴木孝信 訳 金剛出版)
3,000円ほどのCD付きの瞑想教本。
書籍で3,000円というと、世間では高い部類なのかもしれない。
しかし僕にとっては、たった3,000円で人生を変えるほどの価値をもたらしてくれた1冊だ。
この本は、僕にとてつもない可能性を開かせてくれた。
内面と外の世界をつなぐゲート。
物質世界と精神世界をつなぐゲート。
ナルシシズムという自我の檻から抜け出すためのゲート。
あらゆる世界とのゲートだった。
本当にここから、僕の新たな旅ははじまった。
このゲートを通った僕は、僕と同じように自由な生き方を模索する同志たちと出会った。
そして自分自身と和解し、真の自分自身に出会うことができた。
僕の聖書(バイブル)
しかしこの本、僕にとっては絶大な効果を発揮してくれたが、誰にでもおすすめできるものだとは思わない。
amazonでの評価は芳しいものだとはいい難く、「翻訳に問題あり」というクチコミも見受けられる。
「クセがある本」と感じる方もいらっしゃることだろう。
僕はむしろ、この翻訳に禅の経典のような味わい深さを感じたのだが・・・
イラストも写真も図表もなく、文字情報のみ。
ひたすら瞑想の心得や適切な注意の払い方、自分の心との関わり方などが記されている。
なんて硬派な指南書だろうか(笑)
しかし、この書に引き込まれるのはその行間だ。
文字として文面に現れていない部分が、行間にぎっしりと詰まっている。
そんな印象を受ける。
僕はこの本を4回ほど熟読した。
今でも初心に立ち返りたいときは参照する。
当然のことながら、僕のブログはこの本の影響を多大に受けている。
これは僕にとっての聖書(バイブル)なのだ。
カバットジン先生、ありがとうございます。