あなたの心が平和なとき、
その目に映るあの人も平和。
そして、世界も平和。
なぜなら、あなたの心が平和だから。
もうあなたは聞き飽きたかもしれない。
しかし、言わずにはいられない。
真の平和とは、単純に「戦争がない」という外形的な状況を指すのではない。
それは僕たちの内面の状態をいう。
一人ひとりの心が平和なとき、真の平和が実現する。
それは社会運動などで達成するようなものではない。
もちろん、どこかの国の独裁者を批判することで、成立するようなものではない。
また、キラキラした言葉で内面を美化することで、叶えられるものでもない。
一人ひとりが自分の内面を、ごまかさずに観察し続けるとき。
美点だけでなく、自身の内面にある愚かさを愚かだと正直に認めるとき。
そしてそれらを、正当化も非難もすることなく、ただそのまま観るとき。
平和がそこにあることに気づく。
それは実現を目指すような目標ではない。
ことさらに優しい言葉で語られるようなものでもない。
一見そっけなく、自然で、そして穏やかなもの。
そして、すでに僕たちの心にあるもの。
そこに気づくかどうか。
それは、僕たち一人ひとりの自覚にかかっている。
残念ながら、誰かが誰かの心を平和にさせることはできない。
だから、他者に平和を求めても仕方がない。
自分の心が平和であれば、それでじゅうぶん。
ならばもう、誰かに期待せず、ただ坐ろうか。
そして、何も目指さず、何も求めず、ただ気づき続けようか。
そのとき僕たちは、平和である。
そして僕たちは、おのずと理解する。
僕たちが平和であるとき、僕たちの存在そのものが、他者に影響を与えているということを。
意識して平和的な行動をしなくても、周囲に平和の波紋が広がることを。
むしろ平和にさせようとはからうと、争いが誘発されるのだということを。
だから僕たちは、平和の主張などしなくていい。
ただ気づいていればいい。
なぜならそれが、平和の近道だからだ。